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パーマカルチャーと生態系

年が明けてもうだいぶ経ちますが、今年のお正月はゆっくり過ごせましたでしょうか。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。


NIJIYA coffeeの前ではパンデミックの影響で何年か取りやめになっていた元旦マラソンが今年再開されており、参加者の方々の力強い走りにただただ圧倒されていました。


年末の大雪のインパクトが大きすぎて、お正月はどうなるのか…と心配でしたが、最近の村上市は雨が多く、比較的気温が高めの日が続いているのかなぁと感じます。


とはいえ、もちろん寒いは寒いのですが。。



今回は、今週土曜日にNIJIYA coffeeで上映する予定の映画について触れていきます。


「できる 〜セ・ポシブル〜」


年の初めにふさわしい、とてもポジティブな作品。


※今回、コーヒーとは関係のないテーマなのでご興味なければすっ飛ばしていただいて大丈夫!また気になったら読んでみてくださいね。




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1 パーマカルチャーとは?


「できる 〜セ・ポシブル〜」という映画では、「パーマカルチャー」ということばが何度もでてきます。


”パーマカルチャー (Permaculture) という言葉は1970年代にオーストラリア南部のタスマニア島で暮らしていたデビッド・ホルムグレンとビル・モリソンが作った造語” 

そして、


“パーマネント (permanent) とアグリカルチャー (agriculture) を組み合わせ「永続する農業」という意味が込められている”

[ 引用:wikipedia ]


のだそう。


現代では、「永続的な農業」だけでなくカルチャー(文化)の意味合いも含め、永続可能な人間型の農業をもとに、自然と人間が共存できる社会システムを創造していくデザインの手法というふうに、解釈が広がっているようです。



映画では、東日本大震災後の日本を、フランス人カップル二人がヒッチハイクで旅して巡ります。


彼ら自身がパーマカルチャーを実践する人たちのコミュニティや活動を取材しながら体験しているのですが、フランス人の視点で描かれているというのはひとつ着目してほしい点かなと思います。



東京から屋久島に移住して動物とともに循環を実践する暮らしをする家族や、エリア内の飲食店から出た生ごみを堆肥化し野菜として育て、みんなでシェアするという仕組みづくりの事例など、彼らがどこに魅力を感じて何を学びとして得たのかについては、そのまま映画を観る人の視点に委ねられるところも大きい。


同じ日本で実践されているのだから、私たちの住む地域でも「できる」よね、という希望を持てる作品かなとも思います。


ぜひ、多くの人に知ってほしい映画のひとつです。




2 うまく回る生態系とは?


話が少し変わるのですが、、


私は今、個人的にWeb3.0やメタバースについて興味をもっています。


わからないなりに理解を深めたくて読んでいる本がいくつかあるのですが、その中の一つ、

世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」のなかで、著書の佐藤さんは、仮想空間やアバターなどのメタバース構築の前に、まず「(現実の)世界とはなにか?」を噛み砕き、言語化するところからアプローチしています。


”世界とは、視認できるビジュアルとしての「視空間」と、社会的な機能をもつ「生態系」が融合したものです。"

[ 引用:世界2.0 メタバースの歩き方と創り方 / 佐藤航陽(幻冬舎単行本)]


さらに「世界を変える」とは「新しい生態系を創ること」が近道だとして、うまく回る生態系の特徴として以下の3点をあげています。


それは、


①自律的であること
外部からの指示にしたがって生態系が回るのではなく、まるで集団そのものに意図があるかのように動くことができる。

②有機的であること
生態系もそこに参加する各人が交流しながら、全体を形づくっていくもの。

③分散的であること
分散的な生態系は、司令塔なんて必要なく、指揮官がどこにもいなくても、全体がとどまることなく動き続ける。

[ 引用:世界2.0 メタバースの歩き方と創り方 / 佐藤航陽(幻冬舎単行本)]



これは、この映画「できる〜セ・ポシブル〜」で紹介されている、独自のコミュニティや村をつくって生活をしたり、電気をつくってみんなが自由に使えるようにしたり、地域通貨で必要なモノが変える仕組みを作ったり、、といった活動にそのまま当てはまるのでは?と感じました。





過去の歴史から、カリスマ的な存在を中心としたコミュニティというのは長くは続かず、自律分散的でメンバー自身が自分のできることを自らの意思でやる、という場であることが重要であることが述べられています。


おそらく上記のうまく回る生態系の特徴はパーマカルチャーと通じるところがあり、やっていく中で変化していくのもまた生態系のあり方なのだと思います。




3 理想を思い描く力


この映画で出会う人たちは「自分たちでとりあえずやってみる、うまくいったらみんなもやってね」という姿勢の方ばかり。


「小さく変える、それが継続してまたできる」の連続が世界を変えていくのかなぁ、と思います。


2019年の映画なので、2023年の今はこういったコミュニティがさらに増えているはず。


過去、多くの日本人が得意としてきた「ほかの文化を柔らかく受け入れ、自分たちのやりやすい形に変えて実装する」みたいな能力(才能?)は、日本人として本当に誇るべきところなのだと思っています。



先ほどの「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」のなかでは、さらに

「生態系のデザインにおいて重要なこと」として「今よりも良い世界を創ろうとする人間の意思です。」と述べられています。


テクノロジーの進化とともに政治も経済も既存のシステムでは成り立たない場面が増えるにつれ、今はこれまで常識とされてきたこともことごとく変わっている最中にいるのだと思います。


「今よりも良い世界」をどうつくっていくべきなのか?


自分なりの「理想の世界」を具体的にイメージし表現することがこれまで以上に求められるだろうし、またそれが実現する可能性も高い。


もちろん、またそこに至るまでの壁は高く厚いのだろうけど、人類はあるいは生物は本能的に進化することをやめられない様子なので、やっちゃうんだろうなぁ…と何となく思っています。


「誰もがバーチャルな世界をリアルの世界として認識するのが常識」という時代はまだ少し先になると思いますが、それでも世界の巨大企業が続々Web3の分野に参入しているという事実は「確実に来る」ことの現れであると感じます。



新しいことを学ぶことはもちろん大切ですが、もっと自分を掘り下げて本当に理想とする自分、理想の世界とは何なのか?を改めて問い直す必要もありそう。


それが実現する世界が、もうそこまできているとも言えるからです。


この映画で、ぜひあなたの中に眠るアイデアや理想を掘り起こしてみて。

理想の自分と「できる」を実感できる場所が、すこしでも多く世界に拡がることを本当に夢見ています。



映画「できる〜セ・ポシブル〜」

日時 / 1月14日(土)10:30~

場所 / NIJIYA coffee


詳細・ご予約はこちらから




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