NIJIYA coffeeとして、自家焙煎コーヒーの専門店をはじめてもうすぐ5年になります。
今年に入って新たに「CINE ARCO IRIS」という小さな映画上映会を始めたこともあり、改めてNIJIYAとしてやりたいことや今後の方向性について整理してみましたので、ここでシェアさせていただきます。
1、NIJIYAの由来
NIJIYAの由来は、レインボーの「虹」です。
多様性の中に見出す一体感をイメージし、他者の個性を尊重しながら「自分らしく生きる」という価値観を表現しています。
NIJIYA立ち上げ当初は、健康と環境への配慮を意識したヴィーガンお弁当の販売からスタートしました。
カラフルで美味しい食べ物で体と心を満たし、ワクワクする未来につなげてほしいという願いも込めています。
2、「自分らしくなる」ではなく「自分である」
私自身「自分らしさ」がわからず長い間悩んでいたことが、結果的にあらゆるアクションを起こす原動力となりました。
ヨガがライフワークとなり、国内外の多くの方と接する機会を得て視野が拡がったことで、「自分らしさとは何か?」が「自分自身、どう在りたいか?」という問いに変化し、そこから何かが変わったような気がします。
「自分らしさ」には、エゴも含まれます。
子育ても仕事も要領が悪く、他と比較し落ち込んだり、いつも良い状態ばかりではない。
でもまあ、それも自分。
そう受け容れることは簡単ではありませんが、他者からの評価よりも「これが自分」を意識した選択の連続が、結果的に在りたい自分に近づけるのだと思っています。
3、「世界がぜんたい幸福」
コーヒーに着目したのは、一本の映画がきっかけです。
貿易の不均衡なシステムや搾取する側とされる側の格差、貧困、飢餓。
それまで他人事だった社会課題が、毎日欠かさずに飲んでいたコーヒーと結びつき、初めて自分ごととしてクリアになりました。
私にとって、コーヒーというプロダクトは、そのときの衝撃を忘れないための手段です。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない(宮沢賢治)」
私個人が求めた「自分らしさ」は、幸せの追求に他なりません。
そして、それは「世界がぜんたい幸福」なしではありえない。
同時に、個人の内側を満たすことなしに、本質的な変化を起こすことも難しいと考えています。
4、新たな景色
NIJIYAがコーヒーロースターとなり、また映画の上映をはじめたことで、新たにみえてきた景色と気付きがあります。
ゴミも気候も森林も海洋も労働も経済も人口も生物も食糧も格差も差別も貧困も、あらゆることはすべてつながっている。
自分の小さな選択も、何かに影響を与えているかもしれません。
自分自身が幸せの追求をするのであれば、自分の選択が誰かに与える影響も考えるべきだと考えるようになりました。
NIJIYAは一時的なHappinessではなく、長期的なWell-beingを目指します。
環境にとって、また自身の身体にとってもヘルシーな選択をし、小さな成長とつながりを実感することでお客さま自身の幸福度が上がるような場にしたいと考えています。
私たちは「消費者」としてではなく「個」であり「一つの命」として、未来に投資するような買い物のしかたを提案していきます。
「持続可能」とは、今もその先も「世界がぜんたい幸福」なこと。
今後も、世界でこれだけ流通しているコーヒーが与える影響は大きいと考えています。
すでに世界中で環境や生物により良い影響を与えるような取り組みは増えていますが、私自身コーヒーを販売していて感じるのは、まだまだタンブラーやキャニスターの持参率は低いということ。ごみ問題だけでも多くの課題があることがよくわかります。
NIJIYA coffeeは小さなコーヒー焙煎店ですが、地球全体の資源をより長く持続させ、分け合えるようになるためにできることを、私たちなりに追求し続けていきたいと考えています。
5、女性の目線でできることを
私自身、小さな子どもを育てる母親でもあり、漢方学を学んだ経験を家族や自身の健康のために役立てています。
嗜好品としてのコーヒーを心から愉しんでいただくことはもちろんですが、牛乳不使用にするほか、白砂糖やカフェイン等による影響が心配な方向けのアレンジコーヒーもご用意し、選択の幅を増やしたいと考えています。
コーヒーのストーリーは、生産者からあなたへと続いています。
美味しいコーヒーがあなたの心を豊かに満たし、世界ぜんたいにカラフルな未来をもたらして、その旅が完結することを心から願っています。
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