top of page

100%プラントベースのミルクを採用する理由

NIJIYA coffeeでは10月からカフェラテなどに使用する牛乳の使用をやめ、代替ミルクとして豆乳またはオートミルクなど100%植物性ミルクを採用を始めています。

今回は、その理由についてシェアさせていただきます。






1、「ぜんたい幸福」に貢献するコーヒー屋でありたい




私は「世界がぜんたい幸福でなければ、個人の幸福はありえない」という宮沢賢治のことばが大好きで、NIJIYAが最終的に目指すところはまさにここだと思っています。


映画を定期的に上映するようになり、私自身がより地球環境への関心が高まったことと、何より、今をもっと自分らしく、自由に愉しむマインドを常に持ち続けていたいという想いが強くなりました。


これまで使用していた牛乳を見直してみるというのは、実は以前から考えていたアクションのひとつ。

今後NIJIYA coffeeでは、牛乳や生クリームなど乳製品全般を使用せず、カフェラテなどは代替ミルクを使用することを予定しています。


今回は、その理由について私の考えを述べたいと思います。


理由は大きく2つ。

健康と、地球環境への影響です。



2、健康への影響



日本での一般的な栄養指導で、未だに牛乳が推奨されているにもかかわらず、牛乳が健康に対してあまり良くないという情報は、すでに多くの方が耳にする機会があったのでは、と思います。


もしくは、少し検索しただけですぐに調べることができますのでここでは詳しく触れませんが、牛乳の健康に対する代表的な影響は、、、


  ・カゼインが消化しにくく、胃腸に負担をかける

  ・牛乳のカルシウムは人体ではほとんど利用されないだけでなく、骨粗鬆症の原因になる

  ・鉄の吸収を阻害する

  ・中毒症状が起こり、精神不安や神経障害、便秘や排尿障害につながる

  ・「乳糖不耐性」という体質の人は下痢をしたり、ガスが溜まりやすい

  ・婦人科系の病気・症状(PMS,子宮筋腫、卵巣嚢腫など)、うつ症状、原因不明のかゆみ、慢性鼻炎などに関係している可能性 

  ・他にも、ぜんそく、リウマチ、アルツハイマー病、潰瘍性大腸炎、クローン病などへの影響

  ・前立腺がんや卵巣がん、乳がんの発症リスクに関係している可能性 など


他にも、

 ・加熱殺菌処理により、良質な栄養素が失われている

 ・「ホモジェナイズ」という処理によって酸化が進み、トランス脂肪酸ができる

 ・即時型のアレルギーでなくでも、症状が出るまで時間がかかる遅延型アレルギーである場合もある(牛乳に限らず)


など、本当に?と疑いたくなるほどの数。

もちろん、信じるかどうかは人によって違うことも承知しています。




参考:

パンと牛乳はすぐにやめなさい」/ 内山葉子(マキノ出版) 

牛乳は子どもによくない」 / 佐藤章夫(PHP新書)

 プレジデント「牛乳はがんを防ぐ良薬か、リスクか?」


  


3、環境への影響

 

さらに、環境負荷への影響。

過去にオックスフォード大学が行った研究で、牛乳とそれ以外の植物性ミルクが環境に与える負荷を比較した有名な調査結果があります。




source: Earth911


Carbon Emissions :炭素排出量

Land Use :土地利用

Water Use:水資源使用量



グラフからも、他の代替ミルクに比べ圧倒的に環境負荷が高いことがわかります。

数字が大きすぎていまいちわかりにくいのですが、グラス1杯のミルクを作るには、約0.6キログラムの温室効果ガスが発生し、約1,050リットルの水を使うことになる、とのこと。

1杯のミルクに、水1,050リットル!!!!


豆乳は、温室効果ガスが少ないだけでなく、調査した5種類の牛乳の中で最も水の使用量が少ないようです。植物性ミルクの中で唯一、乳製品に匹敵するタンパク質を含んでいて、オックスフォード大学が持続可能性という尺度において最もおすすめできるものの一つにあげているようです。


アーモンドミルクは、日本でも主に国内のメーカーのものが手に入りやすくなりましたね。

炭素の観点からは、1リットルあたりわずか0.7kgのCO2排出と、5種のミルクの中で最も少ないという結果でした。


しかし、水の消費量が他の植物性に比べてかなり多く、1リットルのミルクを作るのに、371リットル水を使用するとのこと。ほぼすべてのアーモンドは水不足の気候で栽培されているため、水の使用量が多いことはさらに大きなダメージとなります。


また、アメリカでは商業用のミツバチの70%近くがアーモンドの受粉のために徴兵され、シーズン終了までに3分の1のミツバチが死亡した年もあったとのことで、アーモンドに関しては別の負の側面が見えてきました。



オーツミルクは、The Guardianでも最も総合的なサステナブル植物性ミルクに選ばれています。

大豆と比較すると、土地利用や水の使用量は若干多くなっていますが、CO2排出量が1リットルあたり0.9キログラムとわずかに下回りました。

オーツ麦は、アメリカ北部やカナダなどの冷涼な気候で栽培されるため、発展途上国の森林伐採とは無縁であることから、同記事でもオーツミルクは”控えめなヒーロー”として紹介されています。

ライスミルクについては、日本の、特に私の住む地方のスーパーでは手に入りにくいことから、まだ一般的に普及していないと判断。データは上記のとおりで、詳しくは触れずにおきます。

最後に、この比較のグラフには出てきませんが、ココナッツミルクも料理やスイーツでよくみられる植物性ミルクのひとつかと思います。

環境負荷に関する詳しいデータは見つけられなかったのですが、同じガーディアンの記事によると「フィリピン、インドネシア、インドの貧しい地域にとって、ヤシの木は1日1ドルにも満たない賃金で収穫されていることが多く、労働者の搾取や熱帯雨林の破壊を引き起こしている」とのこと。


これまで、私はヴィーガンマフィンやヴィーガンのアイスクリームを作っていたことがあるのですが、牛乳の代わりに主に使用していたのが、まさにココナッツミルクやオイル。

さらに今後も使用も考えていたので、これについては正直悩みました。


ですが、現時点で得られる情報がまだまだ少なく、また、完全に海外からココナッツの需要がなくなったら彼らの生活は果たしてよくなるのか…その関係性もよくわからず。。


もし今後ココナッツミルク等を使用しないのであれば、もう少し最新の情報を収集し、社会動向をみながら決めようと考えています。



4、結論



このように持続可能性という観点でみても、環境に対する影響だけでなく、健康や人権、経済的な事情、また今回は触れていませんが「動物の福祉や権利」の問題などからも単純に「これがベスト」と断定することが非常に難しいことがわかります。


とはいえ、既にある多くのデータのどこを重視し、何を選択するかは個人が考えてできることのひとつ。


NIJIYAとしては、今後も新しい情報を注視しながら、今は牛乳は全て不使用とすることに決定しました。


代替として、主に豆乳を使用します。


価格は、これまでミルクを使用していたものは基本的に30円値上げになります。

もちろん、ミルクを使用しない通常のドリップコーヒー及びコーヒー豆は、これまでどおりの価格です。


誰もが、同じ考えを持っているとはもちろん考えておらず、ストイックだと感じる方もいらっしゃると思います。


私たちは、短期的で限定的な利益の享受ではなく、もっと地球と生きとし生けるものの平和や未来のためにできることを今後も追求し、体現していくことを決意しています。


とはいえ、「良い」と思うことが時を経て思ってもみない結果を生むことは、これまでの歴史が証明しており、これが最善かはまだわかりません。


それでも、今を生きる私たちができる唯一のことは、自ら考え、判断し、行動に責任を持つこと。そして、これが今の私たちの決断です。


賛同してくれるお客さまは少ないかもしれないし、それを直視するのは正直怖いです。

でも、過去の革命にコーヒーハウスの存在が意味をなしたように、集まる人の密度や新しいムーヴメントを生むきっかけが生まれることへの期待が大きい。


自分をマイノリティ側の人だと認識する方こそ世界を変える可能性を秘めていると思うし、まだ頼りない小さなコーヒー店ですが、彼ら彼女らの味方であり続けたいと思います。


------


さいごに


これは、あくまで多様な選択肢のひとつとしてご提案しているにすぎず、現在牛乳に親しまれている方や、健康に良いと思って摂取している方の考え方を否定するものでは決してありません。


食や環境について様々な考え方がある中のひとつとして、ご理解いただけると幸いです。


今後とも、NIJIYA coffeeをよろしくお願いいたします。


Comments


bottom of page